大ダムの時代

ナイル川流域を肥沃な土地に変えたアスワン・ハイ・ダム(エジプト)。人造湖・ナセル湖は琵琶湖の七倍の容量

第二次大戦後、ダム建設技術はさらに向上し高さ200mを超える巨大ダムが各国で続々建設されるようになった。1962年には重力式コンクリートダムとしては世界一であるグランド・ディクサーンスダム(スイス)が完成、1968年にはカナダ・ケベック州においてマルチプルアーチダムとしては世界一となるダニエル・ジョンソンダムが完成した。そして1980年にはソ連(現在はタジキスタン)がヌレクダムを建設し、高さ300.0mという既設ダムとしては世界最高のダムを建設した。現在はタジキスタンのヌレクダム上流に高さ335.0mのログンダムが建設されており、完成すれば世界一の高さになる。

貯水容量においても莫大な容量を有する人造湖が続々と誕生した。フーバーダムは総貯水容量が222億トンと日本全国の全てのダム貯水容量を凌駕する容量を有するが、ジンバブエとザンビア国境にあるカリバダムは総貯水容量が1,806億トンと琵琶湖の約27倍の容量を誇り人造湖単体としては世界最大の人造湖を生み出した。1957年にウガンダに建設されたオーエン・フォールズダムが世界最大ともいわれるが、総貯水容量2兆7000億トンの大半はヴィクトリア湖の容量であり、ダムによる増量分は2,700億トンである。このほか世界有数の大河川の本流にもダムが建設され、1958年黄河に完成した三門峡ダム、1970年ナイル川に完成したアスワン・ハイ・ダム、1991年パラナ川に完成したイタイプダムなどはダム・人造湖の規模においても世界有数であり、2009年長江に完成予定の三峡ダムはダム・人造湖のほか世界最大の水力発電所を擁する。